【建設業】見積書に明示する必要のある「法定福利費」とは
日本の多くの建設会社さんは、発注元である「元請会社」さんから仕事を請け負う「下請会社」さんではないでしょうか。
建設業の「下請会社」のみなさんは、最近「法定福利費」という言葉をよく耳にされませんか?
元請会社へ提出する見積書に、この「法定福利費」を元請会社へ提出する見積書に記載する必要があることはご存知でしょうか。
今回は、この「法定福利費」について、解説いたします。
1.そもそも「法定福利費」って何?
「法定福利費」とは、法律で決められている社会保険料のことです。
具体的にいうと、
のことです。
「労災保険」も一応、法定福利費には含まれますが、建設業の見積書に記載する法定福利費からは除かれます。
この理由は、また後日解説します。
2.「法定福利費」を見積書に記載するってどういうこと?
上述の「雇用保険」「健康保険料(+介護保険料)」「厚生年金保険料+子ども子育て拠出金」は、会社負担分と労働者負担分があります。
このうち、「会社負担分」を建設業の見積書に明記して、材料費・人件費・管理費などの通常の見積金額とは別に、
「社会保険料」の会社負担分を
通常の見積金額に上乗せして、元請会社に請求しましょう
というのが、「法定福利費」の見積書への明示ということです。
法定福利費は、材料費・人件費・管理費等の見積もり合計金額のおよそ3%
程度にのぼりますので、ざっくりいうと3%程度受注金額がアップ
することになります。
3.なぜ、見積書に明示する必要があるの?
「法定福利費」を元請会社に請求しなさいという「国の方針」が大きく影響しています。
参照:建設産業・不動産業:社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン - 国土交通省
背景には、建設業の社会保険未加入問題があります。
多くの中小・零細建設会社で、「雇用保険」「厚生年金」等の加入義務があるにもかかわらず、未加入のままになっています。
この未加入問題を解決するために、「法定福利費」を元請会社に請求して、費用を確保し、社会保険に入りましょう、というのが、「法定福利費の見積書への明示」なのです。
4.どうやって見積書に記載するの?
ごく簡単にいうと、「労務費(人件費)」×「法定福利費の会社負担割合」を見積書に書く、ということです。
先述のとおり、3%程度見積もり金額に上乗せできる場合も多くあります。
具体的には次の記事にて、解説いたします。